2008年4月アーカイブ

日々現象や目先のことに追われ、
大切なものを見失っていないだろうか?

「早くしなさい!」と言われ続けて育った人は
愚図になってしまう・・・。

早く起きなさい!
早く顔洗ってご飯食べて学校へ行きなさい!
早く帰ってきて宿題しなさい!
早く風呂に入って早く寝なさい!
と一日中言われ続ける。

言われ続けた人は最後に「どうせ俺は愚図だよ」と言い始める。
恐ろしいことに自分の固定概念として一生に渡って自分を縛る。

スピードを要するような仕事などは始めから
「おれは愚図だからできない!無理!」と決めつける。

「早くしなさい」の後には
「お前は愚図なんだから」というメッセージが隠されているのだ。

普段あなたの周りに溢れている言葉に
注意を払ってみてほしい。
言葉の意味、目に見えないメッセージ・・・

多くの人が人を非難したり愚痴を言ったりする。
個人も企業も社会もストレスを多く抱えやりきれない。

自分の努力が報われないからふてくされて捨て鉢になる。
もうこれ以上は努力する価値はないと思い
自己正当化を図るために批判・批評・愚痴・不満・憎悪などが増え、
責任転嫁するようになる。まさに悪循環である。

企業内に悪循環ができている場合がある。

頑張ったが評価さされない。
上からの命令は絶対であり、できない場合は責任を取らされる。
えこひいきや派閥があるため、社員がヒソヒソ話をする。
現場はいつも忙しく困っている。
ワンマンでパワハラ大王がいる。

結果「考えても仕方ないから考えるのを止めよう」というような
言葉が出始めると危ない。

自分の存在価値に疑問が生じる。
何のために仕事をしているのか判らなくなる。
今の会社で働く動機が失われるため仕事がいやになる。
気力が失われ・・・うつ病などになっていく。

心的理由での休職者などが出ると、
すぐに産業医やカウンセラーを投入したり研修をしたりするが、
実際のところ、効果は出ない。

もっと本質を見つめ原因を分析しないと
的外れの対策になり金の無駄使いになる。

働く環境や制度(評価制度など)も大切だ。
企業内に矛盾や不公平感が広まると人財から辞めていく。
あなたの企業内では
どのような言葉が使われ会話されているか?

大切なものを見失わないようにしたいものだ。

(次号に続く)
精神医療は大丈夫か?
精神科医が薬を服用し、自殺するケースも珍しくない。
日本の精神医療は根本的に何処かおかしいのではないだろうか?

少し辛口になるが、心を理解するには経験が少ないのではないだろうか。
医者になるような優等生で経済的にも余り不自由はないだろう。
バイトや一般の仕事の経験もなく、会社組織に属したこともない。

周りからは先生と言われることが当たり前。
このような育ちの人が企業で働き病んだ人達のことを
感じて理解できるのか疑問である。

診療内科や精神科、メンタルクリニックは大流行りで
患者が多くヒアリングもカウンセリングも時間がない。
症状を抑えたり改善したりするための薬の処方をするのが精一杯だ。
根本原因には手をつけないことも多い。

私のもとにも、病院へ通院していながらカウンセリングに来る。
1年以上通い続けて、さらに悪くなってから来訪してくる。
悪くなった人への対処でさえ専門家の数が足りない。

心の分野の専門家は育成が難しい。だからこそ「予防」が必要だ。
予防するのであれば、医者の資格なんかいらない。
人生経験と心ある人たちが少しの勉強で対応できる。
企業も本物のメンタルヘルスに目覚めて欲しい。

(次号に続く)
「埴輪社員」があなたの会社には何人いるだろうか?
埴輪社員とは、外見だけで中身がない人のこと。

自分自身の価値観や信念、考え方がない。
判断や決断ができず、方法や方策は人に訪ねることで解決を図ろうとする。
問題が発生したときや困ったとき
「どうすればいいですか?」という言葉が発せられる。
自分の意見や提案は何もなく、ただただ人に訊く。

中身がないのに外面だけは良くしようとする。
お洒落でカッコ良く、そこそこ頭も良い、
他人に対してやさしい...仮面をつけ埴輪になる。
自分の弱さを見破られないために見栄を張る。
弱い犬が吠えるのと同じだ。

「自分で考えたり工夫したりして、努力してみろ!」と
年配の管理者たちの罵声のような悲鳴が聞こえてくる。

物事を判断するには知識だけではなく「経験」が必要である。
五感を通して経験し自分の価値基準を作っていく。
その経験は人工の物より自然が断然いい!

自分の弱さやマイナスを見つめるのは嫌なことかもしれないが、
目を背けるのではなく向かい合わないと成長しない。
新入社員を埴輪から中身の伴う本物にするために、
上長たちの度量と愛情が試される。
「教育」だけではなく「育成」という目線で向き合ってほしい。
「自分の息子を育てるがごとく」である。
とは言うものの「育てられる」のはどちらのことやら!?

(次号に続く)
あなたの目は輝いているだろうか!?

今日10階建てほどのマンションの工事現場横を通った。
完成が近いらしくマンションを囲んでいた足場の撤去作業中だった。
上の階から下の階へと順番に分解された足場が下されていく。
人の手による見事な流れ作業だ。

面白いなと思い信号待ちの間ずっと眺めていると、
横に自転車に乗った男の子が2人来た。
「スッゲ!」の言葉とともに作業に見入っている。
目が見開かれ興味津々の顔である。

口がポカンと開いたままで意識が作業光景に集中され、
信号が変わったことにも気付かない。

こんなふうな記憶が皆さんにあるはず。
心が病んでいく人達のほとんどは「目が死んでいる」。
力なく焦点が定まらず、心ここにあらず!といった目になる。

宮崎駿監督の「となりのトトロ」に出てくる「メイちゃん」が、
トトロに出会ったときに目を見開くシーンがある。
養老孟司さんはそのシーンの絵を大学に貼っていたそうだ。

多くの技術者が病んでいくなか、
どれだけの人がこの輝く目を保ち続けていられるだろう。
IT会社をはじめ技術職を社員に持つ企業は、
輝き見開かれた目を作ることが将来生き残るポイントになるのでは?

(次号に続く)